マレーシアで新築物件を購入するとき、引き渡しは購入者にとって大切なステップです。ここでは、引き渡しプロセスの具体的な流れと、スムーズに進めるためのポイントを分かりやすく解説します。
1. 「VP通知」の受領:まずは通知書を確認
引き渡しの第一歩は、開発業者(デベロッパー)から届く「Vacant Possession(VP)」通知の受領です。この通知は、物件が完成して使用可能であることを知らせるものです。
● 通知を受け取ったら何をすればいい?
- 通常、VP通知は郵送またはメールで送られてきます。内容を確認し、引き渡し日を把握しましょう。
- VP通知を受け取ってから 14日以内 に指定された場所に出向き、鍵の受け取りや手続きが必要です。
● 注意点
VP通知が届く前に、契約内容に記載された建築完了時期を確認しておくと安心です。遅延がある場合は、補償が受けられる可能性もあります。
2. 物件の状態をチェック:不具合は見逃さない!
鍵を受け取ったら、次は物件の状態確認です。このステップでは、物件が契約通りに仕上がっているかを入念にチェックします。
● チェックポイント例
- 壁や天井:ヒビ割れや塗装の剥がれがないか。
- 床材:フローリングやタイルに傷や欠けがないか。
- 電気・水道:全てのスイッチや蛇口が正常に機能するか。
- 窓やドア:開閉がスムーズか、防犯性が保たれているか。
● チェックの進め方
- プロに依頼する方法
専門家(インスペクター)に依頼すると、見落としが少なくなります。費用はかかりますが、長期的な安心感につながります。 - 自分でチェックする場合
スマートフォンで写真を撮りながら進めると、不具合の記録が残せます。
● 不具合があったら?
「Defect Liability Period(欠陥責任期間)」内であれば、無料で修理を依頼できます。通常、この期間は24ヶ月間です。不具合が見つかったら、すぐにデベロッパーに報告しましょう。
3. すべての支払いを完了:重要なステップ
引き渡し前には、契約に基づいたすべての支払いを完了させる必要があります。これは、物件の正式な所有権を得るための重要なプロセスです。
● 支払いに含まれる費用
- ローン残高:銀行ローンを利用している場合、完済条件に基づく支払い。
- 登記料(Memorandum of Transfer, MOT):物件の所有権を購入者名義に変更するための費用。
- 印紙税:購入額に応じた税金。
- 共益費(コンドミニアムの場合):管理費や修繕費用の前払い。
● 注意すること
- 支払い記録や領収書を必ず保管しましょう。
- 遅延がある場合、利息が発生する可能性がありますので、期限内の支払いを心がけてください。
4. デベロッパーとの最終確認:引き渡し前の重要な書類
物件が引き渡される前に、デベロッパーから「Completion Certificate(完成証明書)」を受け取る必要があります。
● Completion Certificateとは?
これは、建物が政府の基準に適合し、安全に使用できることを証明する書類です。この証明書が発行されていない場合、VP通知が無効となることがあります。
● 管理費用の確認
特にコンドミニアムでは、共用施設(プール、ジム、駐車場など)の維持費が発生します。これらの詳細も確認し、契約内容と照らし合わせましょう。
5. 新居への入居準備:新生活をスムーズに始めるために
すべての手続きが完了したら、新居への引っ越し準備を進めます。
● やるべきことリスト
- 家具の手配:新居に合った家具を選び、配送スケジュールを調整。
- 公共料金の契約変更:電気・水道・インターネットの名義変更や新規契約。
- 近隣住民との挨拶:地域のコミュニティに参加することで、より良い関係を築けます。
● 注意すべきルール
- 騒音規制やゴミ出しの時間など、住居ごとに異なるルールを確認しておきましょう。
- ペットの飼育制限がある場合もありますので、事前に管理会社に確認してください。
まとめ
マレーシアの新築物件引き渡し手続きは、適切に準備することでスムーズに進めることができます。不具合の確認や支払い手続きなど、各ステップでの注意が鍵です。このガイドを参考に、新生活を安心してスタートさせましょう!
海外不動産投資の窓口